ダイキン工業は、寒冷地の暖房・給湯機器市場開拓に向け、商品開発につなげるための実験施設「ダイキン旭川ラボ」を北海道旭川市に設立した。12月9日に業務を始める。機器の能力や省エネ性能の検証、寒さによる影響分析などを行うほか、機器を組み合わせて省エネで最適に制御する暖房・給湯ソリューションの実現を目指す。
世界の暖房・給湯機器市場で省エネ性能の高い暖房・給湯機器の普及が進む中、それぞれの気候や住宅事情などによってさまざまなニーズがあることから、寒冷地に対応できる機器やソリューションの開発を目的に、旭川ラボを立ち上げた。国内で特に寒さが厳しく冬の最低気温が-20℃を下回る旭川市を選び、実験環境を整備した。
716.3m2の敷地に一般的な一戸建て住宅の「一般住宅」(2階建て4LDK、106m2)、今後の新築一戸建て住宅を想定して気密性や断熱性を高めた「高気密高断熱住宅」(同)、一般的なオフィス「事務所棟」(1階建て53m2)の3施設を備え、機器を評価する。実際の使用での快適性や降雪、着霜に伴う室外機への影響なども調べる。
さらに、ヒートポンプ式エアコン、床暖房、燃焼式暖房、太陽光パネルなどの設備機器や、ヒートポンプ式と燃焼式の長所を組み合わせた暖房・給湯システムの能力、省エネ性、快適性、施工性、メンテナンス性などを検証する。それらの制御プログラムを加えて使用環境に応じたソリューションを構築するほか、地元の声も聞いて開発に役立てる。